11月5日(木)「ロ−ザ・ルクセンブルグ」

「ロ−ザ・ルクセンブルグ」('85・西独)監督・脚本:マルガレ−テ・フォン・トロッタ 撮影:フランツ・ラ−ト 音楽:ニコラス・エコノモ− 出演:バルバラ・ズコバ/ダニエル・オリブリフスキ/オット−・ザンダ−
★19世紀末から第一次世界大戦にかけてベルリンを舞台に活動した女性革命家、ロ−ザ・ルクセンブルグの伝記映画。大戦に際し反戦を唱え、'19年に右翼軍人に虐殺されるまでのドラマチックの人生を行動的な活動家、そして女性としての側面から描く。女流監督フォン・トロッタの力作。
(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎前半のヒステリックに喚き立てるロ−ザにはやや辟易したが、刑務所に入ることによって小さな自然の美しさに目覚めるあたりから、ロ−ザの言葉に深味が増してくる。しかし一貫して違和感を覚えるのはロ−ザの身辺に常に家政婦が居る生活には貴族性が付きまとっていて、その彼女の口から発せられる大衆という言葉だった。刑務所でも何故か特別扱いされていて、書斎やガ−デニングの敷地まで与えられているのにはぶったまげた。などと色々違和感を覚えながらラストの虐殺まで見終えて、権力というものの不気味さと何時の世にも変わらぬ陳腐さを思い知ったのだった。呑気呆亭