11月6日(金)「イヤ−・オブ・ザ・ドラゴン」

「イヤ−・オブ・ザ・ドラゴン」('85・米)監督・脚本:マイケル・チミノ 原作:ロバ−ト・デイリ− 脚本:オリバ−・スト−ン 撮影:アレックス・トムソン 音楽:デヴィッド・マンスフィールド 出演:ミッキ−・ロ−ク/ジョン・ロ−ン/アリア−ヌ/ビクタ−・ウォン
★ハリウッド史に残る興行的失敗を喫した「天国の門」('81)のM・チミノが、やっと撮れた新作。ニュ−ヨ−クの中国人街にはびこる非合法組織チャイニ−ズ・マフィアの内幕に迫る。原作は元NY市警刑事ロバ−ト・デイリ−の同名ベストセラー小説。中国人マフィアのドンが殺された。後バマを狙う若い幹部ジョ−イ・タイは急進的に麻薬組織を変えようとする。強引で帽子好きの新任部長刑事スタンリ−・ホワイトは女性TVレポ−タ−や新人中国人刑事の協力を得、身の危険を冒して組織壊滅に挑む。ジョ−イに扮したJ・ロ−ンは静かな演技ながら圧倒的存在感を発揮。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎初見時にはジョン・ロ−ンの非情な存在感にかなりの衝撃を覚えたのだったが、今回見直してみて、ミッキ−・ロ−クの伊達な存在感に痺れた。それにしても物語をロ−ンとロ−クの突っ張り合いに矮小化させてしまって、ニュ−ヨ−クという都市とその一角に食い込んでいる中国人街というものの疫学的な意味にまで踏み込めなかったのは、マイケル・チミノにしては不満な出来の映画ではあった。呑気呆亭