10月30日(金)「シルバラ−ド」

「シルバラ−ド」('85・米)製作・監督・脚本:ロ−レンス・カスダン 撮影:ジョン・ベイリ− 音楽:ブル−ス・ブロ−トン 出演:スコット・グレン/ケヴィン・クライン/ケヴィン・コスナ−/ダニ−・グロ−バ−/ブライアン・デネヒ−/リンダ・ハント
★既に作られなくなって久しかった西部劇大作を、R・カスダンが製作から脚本、監督まで務めて復活させた痛快娯楽ウェスタン。とある事件で投獄の身だったエメット(グレン)は故郷であるシルバラードに帰る途中、下着姿で砂漠に横たわるペイドン(クライン)や縛り首の刑寸前の弟ジェイク(コスナー)、酒場で揉め事を起こしたマル(グローヴァー)などを助けながらシルバラードに辿り着く。しかしそこには土地独占を企てる牧場主が嫌がらせを続けており、エメットの姉夫婦も立ち退きを要求されていたのだった。そしてその一味の中には、以前ペイドンが無法者だった頃に仕事を共にし、いまや酒場のオーナーで町の保安官として君臨しているコッブ(デネヒー)がいた。そしてコッブ達の余りにもひどい悪徳ぶりに怒ったエメット達4人は、町や愛する者たちの平和を守るべく一味に戦いを挑んで行くのだった。歴代西部劇の名シーンを思わせる場面や、西部劇には欠かせないキーワードの全てをふんだんに取り入れ、それでいて古臭さを感じさせない軽快な演出が飽きさせない、まさに一級の娯楽大作。出演者も皆好演で、それぞれの役を生き生きと演じている。<allcinema>

◎よくぞ作ってくれましたという感謝を述べたくなるくらいの西部劇のツボをこれでもかと展開してくれた監督ロ−レンス・カスダンとスタッフキャストの協同の傑作。西部劇好きとしては何よりも嬉しいのは、出演者の誰もが正確に銃を(ちゃんと撃鉄を起こして)扱ってくれていることだ。ワタクシ的にはエメット(グレン)の銃さばきを含めた振る舞いがお気に入りだが、酒場の女主人のステラ(ハント)とペイドン(クライン)の会話が今回は記憶に残った。ステラ“コップは私を脅しのネタに、それで善良な人間が酷い目に・・・。とんでもない話だ。人間は力が強く、性根が悪いと自分より弱い者を踏みつける。だが、それを許すのはもっと悪い、立って戦わねば”ペイドン“立派な考えだが危険だ”ステラ“私はやるよ、あんたは”ペイドン“傷つくぜ”ステラ“死ねば私に手は出せないだろう?”小気味よいステラを演じたリンダ・ハントと悪役コップを意味深く演じたブライアン・デネヒ−に拍手!呑気呆亭