10月23日(金)「ペイル・ライダ−」

「ペイル・ライダ−」('85・米)製作・監督:クリント・イーストウッド 脚本:マイケル・バトラ−/デニス・シュリアック 撮影:ブル−ス・サ−ティ−ズ 音楽:レニ−・ニ−ハウス 出演:クリント・イーストウッド/キャリ−・スノッドグレス/マイケル・モリア−ティ/シドニ−・ペニ−/リチャ−ド・キ−ル/ジョン・ラッセル
★鉱山主に牛耳られているカリフォルニアのある町。そこに、鉱山主に抵抗する一家があった。顔役の圧力が増大する中、この町に一人の男が現れる。プリーチャーと呼ばれたその男は、一家を助けて、顔役の支配から町を解放しようとするが……。C・イーストウッドが三役をこなして、往年の西部劇を復活させたような作品で、主人公の設定などは自作の「荒野のストレンジャー」のリメイクに似たニュアンスもある。
 カリフォルニアのカーボン峡谷。ここも他の峡谷と同様に、鉱山会社を経営するラフッド一家によって乗っ取られようとしていた。そんな状況下、この村に住む少女ミーガンと母のサラ、そして彼女の婚約者ハルは、ラフッド社の嫌がらせを受けていたのだった。だがある時、救世主のごとく一人の流れ者が現われる。そして、彼が次に姿を現わした時には牧師の装いだったことから、プリーチャーと呼ばれることに。一方、ラフッド社は決着をつけようと保安官たちを使って攻勢に出る。こうして、町中でプリーチャーと保安官たちが相まみえ、激しい銃撃戦が始まるのだが…。<allcinema>

◎蒼白い馬に乗って現れるイ−ストウッドの登場が謎めいていて期待を抱かせるのだが、その不死かと思わせる強さは“そりゃあねえだろう!”というくらいのもので、だんだんやっつけられる連中のほうが気の毒になってくる。黒澤の「用心棒」の面白さは三十郎が傷つくこともある生身であることから来たのであって、それゆえに醸し出されるサスペンスとユ−モアがドラマにリアルさを与えていた。また、演出家イ−ストウッドの失敗は少女ミ−ガンと母のサラとの余計な交情を付け加えてしまったことにある。呑気呆亭