9月17日(木)「ロ−カル・ヒ−ロ−」

「ロ−カル・ヒ−ロ−」('83・英)製作:デビッド・パットナム 監督・脚本:ビル・フォ−サイス 撮影:クリス・メンゲス 音楽:マ−ク・ノップラ− 出演:バ−ト・ランカスタ−/ピ−タ−・リ−ガ−ト/デニス・ロ−ソン/フルトン・マッケイ
★一時はコロムビアの社長にまで昇りつめた辣腕製作者パットナム指揮のB・フォーサイス脚本・監督作品。アメリカ最大の石油会社のエリートが、コンビナート建設用地にと目をつけたスコットランドのさびれた漁村に交渉のため赴き、猛反対にあうと思いきや大歓迎され、逆に事業の悪影響を考慮し始める……という皮肉っぽいお話。彼が自然保護派に丸めこまれたと思って、オーナー社長(ランカスター)じきじきに現地へ乗り込んでくるが……。英国映画の伝統に則った良質なユーモア劇で、ダイアー・ストレイツのM・ノップラーによる音楽も印象的。カメラは近年監督に転向した名手C・メンゲス。<allcinema>

スコットランドに派遣されたマッキンタイアというエリ−ト社員は、天文マニアの社長ハ−パ−(ランカスタ−)にスコットランドの夜空の観察をリポ−トするように命じられる。マッキンタイアは部下の社員とともにス−ツにアタッシュケ−スという格好でスコットランドの寒村に降り立ち、村人の好奇の目の中を村から海岸にかけて歩き回る。その内スコットランドの風土の影響が次第にマッキンタイアの身体に滲み込んで行き、服装が村の連中のものに似通って行くと共にマッキンタイアの中で或る変容が起きてくる。その最大の切っ掛けとなったものが北海の夜空を覆うオ−ロラ体験だった。そのオ−ロラのリポ−トを聞いた天文マニアの社長は矢も盾もたまらずこの寒村に来てしまい、村の浜の自然を守る天文マニアの老人とすっかり意気投合してしまい、マッキンタイアに急ぎ本社に戻って石油コンビナート建設を白紙に戻すように命じ、自らはこの寒村に海洋研究所と天文観測所を建設すべく長年の鬱状態を忘れ去ったかのように元気を取り戻すのだった。一方、スコットランドの風土に侵されてしまったマッキンタイアは、味気ない自宅に戻ってため息をつくばかりであった。呑気呆亭