9月16日(火)「フラッシュ・ダンス」

「フラッシュ・ダンス」('83・米)監督:エイドリアン・ライン 原案・脚本:ト−マス・ヘドリ−・Jr 脚本:ジョ−・エスタ−ハス 撮影:ドン・ピ−タ−マン 主題歌:アイリ−ン・キャラ 音楽:ジョルジオ・モロダ− 出演:ジェニファ−・ビ−ルス/マイケル・ヌ−リ−/リリア・スカラ/サニ−・ジョンソン
★昼は田舎町の製鉄所の溶接工として働き、夜は酒場でダンサ−として踊りながら、プロのバレリ−ナを目指す少女の物語。新星J・ビ−ルズの美しい肢体と容姿は大変魅力的で、大ヒットしたテ−マソングとともに強烈な印象を残した。これを機にジャズダンスもブ−ムに。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎明け方の街を自転車に乗った女の子が延々と疾駆するプロロ−グがとても良く、この映画の目指す爽やかなドラマを暗示して秀逸。その彼女が鉄工所の溶接士であることでまず観客を驚かせ、なおかつその肉体労働者が夜はサナギから孵った蝶のように華麗なダンサ−に変身するシ−ンを、ご機嫌な音楽と光を巧妙に使った見事な映像で見せてくれる。この冒頭の導入部だけでこの映画には価値がある。主演の女の子も可愛いし、その子に惚れるボス役のヌ−リ−も嫌味がなくて好ましい。学歴もなく正規のレッスンも受けたことのないダンサ−志願の女の子が、ただもう子供の頃に見たバレエに憧れてプリマドンナを目指すという一種のサクセス・スト−リ−であるといえるが、そんなことよりも彼女のわんちゃんや彼女を見守るハンナおばさんや彼女の友人たちとの爽やかな人間模様こそを監督のエイドリアン・ラインは描きたかったのだと思う。ドン・ピ−タ−マンのキャメラが素晴らしい。呑気呆亭