8月21日(金)「遊星からの物体X」

遊星からの物体X」('82・米)監督:ジョン・カ−ペンタ− 原作:ジョン・W・キャンベルJr 脚本:ビル・ランカスタ− 撮影:ディ−ン・カンディ 特撮:アルバ−ト・ホイットロック 特殊効果:ロブ・ボッテイン 音楽:エンニオ・モリコ−ネ 出演:カ−ト・ラッセル/A・W・ブリムリ−/リチャ−ド・ダイサ−ド/ドナルド・モアフィット
★氷の中から発見されたエイリアンと南極基地の隊員との死闘を描いた、SFホラーの古典「遊星よりの物体X」のリメイクで、よりキャンベルの原作に近い。10万年前に地球に飛来した謎の巨大UFOを発見した南極観測隊ノルウェー基地が全滅。やがてノルウェー隊の犬を媒介にしてアメリカ基地に未知の生命体が侵入した。それは次々と形態を変えながら隊員たちに襲いかかる…。様々な形態に変化するために疑心暗鬼の中で行われるエイリアン捜しはかなりスリリングだが、一度正体が判明するや繰り広げられる変身ショーが、それ自体は良く出来ているものの(SFXはロブ・ボッティン)、作品のトーンを壊している。<allcinema>

◎確かにコワイし面白いのだが、見ていながら付きまとうのは、こんな妙な生き物がどうしてあれほどの飛行物体を創り操縦出来たのだろうかという疑問である。このグロテスクな物体には生き残るという本能しかなく、知性というモノが感じられないので、カ−ト・ラッセルの活躍にもかかわらず最終的には絵空事に堕してしまった。「遊星よりの物体X」には見る者に考え込ませる設定(植物人間という)があったが、ここに有るものはアメリカ人の抱えたセンチメンタルなトラウマでしかない。呑気呆亭