8月15日(土)「ことの次第」

「ことの次第」('82・西独)監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース 脚本:ロバ−ト・クレイマ− 撮影:アンリ・アルカン 音楽:ユルゲン・ク−パ− 出演:イザベル・ワインガルテン/パトリック・ホ−ショ−/サミエル・フラ−/アレン・ゴアウイッツ/ロジャ−・コ−マン
ヴェンダース独特のたゆたう映像が、映画製作の現場の困難を描く物語そのままに苦悩に停滞したり、当てもなくさまよったり……。いつまでも焦点を結ばないところが却って魅力的な前半と、一転してノワール的ムード濃厚なB級映画のノリという後半の二部構造を持つ映画で、おそらくは同時期に手がけ、幾度も暗礁に乗り上げたコッポラ製作の「ハメット」での苦い経験が色濃く反映されているのだろう。SF古典のリメイクを撮影中の一隊は資金が底をつき、ポルトガルの海岸の村で立ち往生する。監督のフリッツはプロデューサーと連絡が取れず、業を煮やしたあげく、会うために自らロスに飛ぶが……。S・フラー、R・コーマンといった伝説的映画人が重要な役を演じている、ヴェンダースの複雑にこみいった、ハリウッド映画へのオマージュ。<allcinema>

◎まったく訳の分からない映画で、見終えて腹がたった。ご都合主義と独善の塊で、こんな映画をよく撮ったものだとおもった。呑気呆亭