7月16日(木)「レイジング・ブル」

レイジング・ブル」('80・米)監督:マ-チン・スコセッシ 原作:ジェイク・ラモッタ 脚本:ポ−ル・シュレイダ−/マ−ディ−ク・マ−チン 撮影:マイケル・チャップマン 音楽:レス・ラザロビッツ 出演:ロバ-ト・デニ-ロ/キャシ−・モリア−ティ/ジョ−・ペシ/フランク・ヴィンセント
★実在のミドル級ボクサー、ジェイク・ラモッタの栄光と挫折の半生。試合シーンの壮絶な迫力は筆舌に尽くし難く、ボクシング映画としてのクォリティも高いが、あくまでも作品の根底にあるのは、自らの猜疑心によって妻や弟を失う男を描いた人間ドラマ。引退後のシーンのため体重を25キロ増やしてまで破滅型の主人公を演じきったデ・ニーロはアカデミー主演男優賞を受賞。全編のほとんどを占める白黒画面も美しい。<allcinema>

◎以前に見た時にはデニ−ロの太り方に衝撃を覚えて、スゴイ役者だなァと感嘆したものだが、今回見直してみてここまでやるのは悪趣味ではないかと思ってしまった。第一、太ってスタンダップ・コメディアンになってからのギャグが此方の気持ちが引けてしまうほどのお粗末さで、これをしも演出の意図なのだとすれば、ボクシング・シ−ンが強烈なだけに主人公に対する悪意さえ感じてしまう。熱演が空回りするデニ−ロが哀れである。呑気呆亭