6月18日(木)「ジャンヌ・モロ−の思春期」

「ジャンヌ・モロ−の思春期」('79=仏)監督・脚本:ジャンヌ・モロ− 脚本:アンリエット・シェネリク 撮影:ピエ−ル・ゴ−タ−ル 音楽:フィリップ・サルド 出演:シモ−ヌ・シニョレ/フランシス・ユステ−ル/レティシア・ショボ−/ミシェル・ブラン/ロジェ・ブラン/ジャン=フランソワ・バルメ
★田舎の祖母のもとに遊びにやってきた12歳の少女。第二次大戦前夜の不安な世情の中で、多感な思春期特有の、少女の揺れる気持ちを美しく映像化している。
エヴァの匂い」などで知られる名女優J・モローの“Lumie're”に続く二度目の監督作品で、本作にはナレーションでも参加。牧歌的な雰囲気の中で流れるノスタルジックな映像感覚を女性ならではの繊細なタッチで描く。
<allcinema>

◎何処か自分に似た面差しのレティシア・ショボ−という少女を得て、ジャンヌ・モロ−監督は実に緻密なそして堂々としたタッチで、我々オトコにとっては永遠の謎である「少女の思春期」という危うい感情の揺れ動きを見事に映像化して見せてくれる。フランスの田舎の景色は落着いた色調の背景としてその少女を祖母の眼差しのように温かく包むかのようで好ましく、紡がれる物語も破綻がない。近頃珍しく良い映画を見せて貰ったという充足感を得たのだった。呑気呆亭