4月4日(土)「お熱い夜をあなたに」

お熱い夜をあなたに」('73・米)製作・監督・脚本:ビリ−・ワイルダ− 原作:サミュエル・テイラ− 脚本:I・A・L・ダイアモンド 撮影:ルイジ・クベイレル 音楽:カルロ・ルスティケリ 出演:ジャック・レモン/ジュリエット・ミルズ/クライブ・レビル/エドワ−ド・アンドリュ−ス/ジャン・フランコ・バラ/ヤンティ・ソマ−
★「麗しのサブリナ」の原作者による戯曲を基に、I・A・L・ダイアモンドとの共同脚本をワイルダーが製作も兼ね演出した、イタリアが舞台の異国情緒満点のロマンティック・コメディ。父の訃報を聞き、イスキア島を訪れた米国人実業家は、父が毎年そこで英国婦人と共にバカンスを過ごし、一緒に自動車事故で死んだと知る。婦人の娘も現地に飛んでくるが、父の秘密に憤っていた彼は万事トロい現地の対応に腹も立てており、彼女に八つ当たりしてしまう。だが、いつしか意気投合した二人は、双方の親のすっかり二の舞になりそうな気配濃厚に…。ワイルダーお得意のイタリア人の国民性をからかった文化ギャグが必ずしも笑えず、いささか冗長なのも気になるが、恋のすれ違いを描いて、さすがに滑らかな手練を見せる。
<allcinema>

◎ワイルダ−にしては出来の悪いコメディである。サ−ビスのつもりかレモンとミルズを裸で泳がせてヌ−ドを見せてくれるが、ボクラがワイルダ−の映画に期待するモノはエロスではなくエスプリなのである。わずかにホテルの支配人役のクライブ・レビルにその一端が覗えるが、ワイルダ−とダイアモンドが組んだ脚本としてはお粗末な出来であった。呑気呆亭