4月2日(木)「デリンジャー」

デリンジャー」('73・米)監督・脚本:ジョン・ミリアス 撮影:ジュ−ルス・ブレンナー 音楽:バリ−・デボ−ゾン 出演:ウオ-レン・オ−ツ/ベン・ジョンソン/ハリ−・ディ−ン・スタントン/ミシェル・フィリップス/リチャ−ド・ドレイファス/スティ−ブ・カナリ−/クロリス・リ−チマン
★米犯罪史上に名高いギャング、ジョン・デリンジャーの半生を生き生きと描いた、J・ミリアス監督のデビュー作にして、紛れもないベスト1だろう。教養は無いが雑草のようにたくましく生きるデリンジャーを中心に、彼を取り囲む若者たち、執拗に追跡してくるGメン等の人間模様が鮮やか。数度に及ぶ銃撃戦の迫力は、某国のアクション映画が束になってかかっても遠く及ばない出来栄え。
1933年、全米が大恐慌に見舞われる中、デリンジャーとその一味は各地で数々の銀行強盗に及んでいた。一方、一味を追跡するFBI捜査官パービスは、いち早くデリンジャーを仕留めるべく執念を燃やす。そんなある日、仲間の一人で恋人のビリーと戯れていたデリンジャーは警察の急襲を受け、投獄されるハメに。だが間もなく脱獄に成功、新たな仲間たちを従え、懲りずに銀行を荒らしていく。こうして仲間を失っては新しい手下を率いて犯行を続けるデリンジャーだったが、いつしか消息不明に。しかし、パービスの粘り強い捜査によって居場所を突き止められるのだが…。<allcinema>

ジョン・ミリアスの初監督作品ということだが、過去の暗黒街モノに比しても遜色がなく見応えがあった。特に主演の二人に「ワイルド・バンチ」で兄弟役を演じたオ−ツとジョンソンという気心が知れた役者を起用したキャステイングが成功のカギであったろう。ウオ-レン・オ−ツはどこか憎めない役を演じると出色の存在感を見せる役者だが、このデリンジャーはまさにハマリ役で、悪事を重ねながら全米で人気者になったというデリンジャーを気持ち良さげに演じていた。呑気呆亭