3月27日(金)「ワイルド・バンチ」

ワイルドバンチ」('69・米)監督・脚本:サム・ペキンパ− 原作:ロイ・N・ッシックナ− 原作・脚本:ウォロン・グリ−ン 撮影:ルシアン・バラ−ド 編集/ル−・ロンバルド 音楽:ジェリ−・フィ−ルデイング/ソニ−・バ−ク 出演:ウィリアム・ホ−ルデン/ア−ネスト・ボ−グナイン/ロバ−ト・ライアン/ウオ-レン・オ−ツ/ベン・ジョンソン/エミリオ・フェルナンデス/エドモンド・オブライエン/ストロ−ザ−・マ−チン/L・Q・ジョ−ンズ
★“最後の西部劇”監督ペキンパ−の最高傑作。1913年のメキシコ。パイク・ビショップをリ−ダ−とする5人の中年の強盗団は、30日間にパイクらを捕える条件で、仮出獄を許されているデ−クに追われながらも、野盗の大将マパッチ将軍の依頼で米軍の銃器類を強奪する。だが引き渡しの際マパッチは難癖をつけ、パイク一味の一人でメキシコ人のエンジェルを人質に取る。いったんは引き下がったパイクらは準備を済ませると、エンジェル救出のため、マパッチ軍に壮絶な殴り込みをかける。ペキンパ−独特のスロ−モ−ションを多用するすさまじくも美しい殺戮の描写が圧巻。人馬の乗った鉄橋を爆破するシ−ンも話題を呼んだ。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎この映画を初めて見たのは東京新宿区飯田橋のギンレイ・ホ−ルでだった。今ではすっかり女性向け名画座に変わってしまったが、当時はタバコの煙が充満するB級映画館だった。公開は'69年だったが新聞紙上での広告がやたら大作を強調した画面だったので反感を覚えて封切館には足を向けなかったのだった。仕事をサボって時間つぶしに入ったのだったが、冒頭のタイトルバックのテンポの良さに一気に引き込まれて、銃撃戦のシ−ンに圧倒され、最後まで時を忘れる想いで見入ったのだった。ラストの殺戮戦でウオ−レン・オ−ツが機関銃を乱射してマパッチ軍の兵士たちをなぎ倒すシ−ンでは、場内から期せずして“ヨ−シ!”の声が上がったものだった。その声は恐らく'70年安保闘争で敗退した学生たちが叛逆の想いを込めて発したモノだったのだろう。これ以来、ボクはペキンパ−に狂い始めたのだったが、そんなボクより狂ったやつらが大勢居て、ある男などは“これはオレの映画だ!”と宣言して、一切口を挟むことを許そうとしないのである。ワタクシ的には、ラストシ−ンの砦から傷付いた兵士たちが家族と共に去って行く映像にレンブラントの版画を思い起こしたことを記憶している。呑気呆亭