12月12日(金)「戦う幌馬車」

「戦う幌馬車」('67・米)監督:バ−ト・ケネディ 原作・脚本:クレア・ハフェ−カ− 撮影:ウイリアム・K・クロシア 音楽:ディミトリ・ティオムキン 出演:ジョン・ウエイン/カ−ク・ダグラス/ハワ−ド・キ−ル/ロバ−ト・ウォ−カ−/キ−ナン・ウィン/ブル−ス・キャボット
★無実の罪で投獄されていたトウが、仮出獄を許され、復讐のために帰ってきた。投獄の間に彼の所有する土地と金鉱を奪ったピア−スは、復讐を恐れ流れ者のガンマンであるロ−マックスにトウを殺すように頼む。しかし、ロウとロ−マックスの間には、ピア−スが砂金を運ぶ装甲馬車を襲撃して50万ドルの砂金を奪う計画があったのだった。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎完璧に装甲され、その上にトウに襲われることを予期したピア−スは馬車の内部から操作できるガトリング・ガンを装備する。その馬車を警固するのは前後に約20名のガンマン。ロ−マックス(ダグラス)は過去に馬車の襲撃を試みた愚か者が幾人も町外れのブ−ツヒルに安物の十字架の下に眠っているよとトウ(ウエイン)に言う。さて、その難攻不落の装甲馬車をどう攻略するかが原作・脚本のクレア・ハフェ−カ−の腕の見せ所。その仕掛けが面白い。10万ドルの報酬を目当てに結集する仲間は、飲んだくれの爆破エキスパ−ト、インディアンのはぐれ者、運び屋の老いぼれとその若い女房、そしてトウと宿敵のロ−マックス。こうした結集物(と仮に名付ける)の面白さはそれぞれの個性のぶつかり合いにあるのだが、カ−ク・ダグラス演ずるロ−マックスの抜け目なさと欲ふか振りが面白く、その欲ふかさを逆手に取って仲間に引き入れるトウを演ずるジョン・ウエインとのやり取りが面白い。ロ−マックスはお洒落ガンマンで馬の乗り方もキザなのだが、ラストにその乗り方を物の見事に外して笑わせてくれる。大いに楽しめた作品であります。呑気呆亭