8月21日(木)「地下室のメロディー」

地下室のメロディー」('63・仏)監督・脚本:アンリ・ヴェルヌイユ 脚本:アルベ−ル・シナモン/ミシェル・オ−ディア−ル 撮影:ルイ・パ−ジュ 音楽:ミシェル・マ−ニュ 出演:ジャン・ギャバン/アラン・ドロン/ヴィヴィアンヌ・ロマンス/モ−リス・ビロ−
★ ジャン・ギャバンアラン・ドロンの2大スターが共演した犯罪アクション。五年の刑期を終え出所した老ギャングのシャルル。彼は青年フランシスと組み周到な計画を立てて、再びカジノの現金を強奪する。そして、計画は成功したかに思えたが…。洗練されたモノクロの映像、モダンジャズの音楽、そして何より主人公2人の卓越した心理描写が光る、フランス映画史に残る名作。<allcinema>

◎「冬の猿」、「エプソムの紳士」ときて、この「地下室のメロディ−」。「冬の猿」ではベルモンドと共演し、この映画ではドロンとの共演。すっかり太ってしまって昔の精悍さはすでに失われてしまっているギャバンが、人気絶頂のドロンやベルモンドとの共演でどんなことを考えたのだろうか。ギャバン59歳、ドロン28歳。ギャバンが筋書きを書き、実行犯はドロン。ドロンの動きはさすがに見事で、犯行の詳細は彼独特の動きを見せてスリリングであった。しかしギャバンの昔を知る者としては、この「地下室のメロディー」はどこか物悲しい響きを帯びる。もう、ギャバンにはこんな通気口を潜ってゆく動きは出来ないのだから。それにしても、カジノの経営者に強い印象を残すようなカバンを犯行に使ったのはドジだったんじゃないですか、ギャバン親方。呑気呆亭