7月30日(水)「エプソムの紳士」

「エプソムの紳士」('62・仏)監督・脚本:ジル・グランジュ 脚本:ミシェル・オ−ディア−ル/アルベ−ル・シナモン 撮影:ルイ・バ−ジュ 音楽:ミシェル・ルグラン/フランシス・レマルク 出演:ジャン・ギャバン/ルイ・ド・フュネス/マドレ−ヌ・ロバンソン
ジャン・ギャバンは競馬の予想屋として登場し、元騎兵隊長だったという肩書きを利用して「司令官」と呼ばせているが、口先だけで人を信用させ、適当に予想した馬の情報を流して手数料を取るだけの、いかさま師に近い。それでもプライドは高いので昔なじみのマドレーヌ・ロバンソンがアメリカから来ると、豪華な食事をしたあと空小切手で支払いをするといった男だ。金に困ったギャバンはレストランの主人役ルイ・ド・フュネスをカモにして勝ちそうもない馬を買わせるが、その馬が優勝して大穴が出てしまう。困ったギャバンは・・・というコメディです。<allcinema>Ikeda

◎1904年生まれのギャバンはこの年58歳になるわけだが、みるからに太り過ぎでかつての身体のキレは片鱗もなくなっている。同年の「冬の猿」ではベルモンドという若手に刺激されてか、やんちゃな面も見せてくれたが、この作品では共演者が古株ばかりなので、ギャバンの老け方が余計に目に付いてコメディを楽しむことが出来なかった。競馬に関わるあれこれも納得いかぬことばかりで、ラストのオチも頂けなかった。呑気呆亭