7月16日(水)「シベ−ルの日曜日」

「シベ−ルの日曜日」('62・仏)監督・脚本:セルジュ・ブ−ルギニョン 原作:ベルナ−ル・エシャスリオ− 脚本:アントワ−ヌ・チュダル 撮影:アンリ・ドカエ 音楽:モ−リス・ジャ−ル 出演:パトリシア・ゴッジ/ハ−ディ・クリュ−ガ−/ニコ−ル・ク−ルセル
インドシナ戦争で記憶を失ったピエールは、パリの病院に勤める看護婦マドレーヌと同棲していたが、ある日、寄宿学校に入れられた12歳の少女と出会う。ピエールはマドレーヌがいない日曜日毎にその少女--フランソワーズを外出に連れ出して森の中で一緒に遊ぶ。だが周囲の人々はそんな二人の姿に不信感を抱き始めていた。やがてクリスマスの夜、森の小屋にツリーを飾るピエールの元へフランソワーズがやってくる。彼女はピエールに、本名はシベールだと打ち明けるのだが、その時、ピエールを変質者だと勘違いした警官の銃が火を吹いた…。共に孤独であり純粋であった二つの心が、年齢差が違うというだけで社会によって引き離されてしまう悲劇。これが長編劇映画第1作となるブールギニョン監督は、モノクロ映像(撮影は名匠H・ドカエ)に二人の心象を託して美しい映画を作り上げた。ロリコンから熱烈な支持を受けている事でも有名だが、それだけにとどまらない優れた作品と言えよう。
<allcinema>

◎そもそもこれはワタクシが己のロリコン性に目覚めた映画である。フランソワ−ズ=シベ−ルを演じたパトリシア・ゴッジの少女とは思えないコケテッシュな魅力は、セクシュアルでないだけに大人の女にも太刀打ちの出来ない反社会的なモノとなる。これはいわばもう一つの“禁じられた游び”であった。ピエ−ルは社会によって殺されねばならなかったし、シベ−ルは遂にその本名を人に告げることなくフランソワ−ズとして退屈な生を生きることになるのだろう。呑気呆亭