7月15(火)「長距離ランナ−の孤独」

「長距離ランナ−の孤独」('62・英)製作・監督:トニ−・リチャ−ドソン 原作・脚本:アラン・シリト− 撮影:ウォルタ−・ラサリ− 音楽:ジョン・アディソン 出演:トム・コ−トネイ/マイケル・レッドグレ−ヴ/ピ−タ−・マッデン/ウイリアム・フォックス
★感化院に入っていた青年コーリンが、クロスカントリーの選手に選ばれた。彼は練習を重ね、大会当日、トップでゴールに入ってくる。だが、優勝を目前にして、コーリンはゴールの前で立ち止まる…。60年代イギリスで新しい波となった“怒れる若者たち”の先導者T・リチャードソンの代表作で、大人に対する反抗、権威に対する反抗を力強く描く。斬新な映像処理と、巧みな編集、その中で灰汁のように沸き上がる“怒り”が、T・コートネイの不敵な表情に集約されている。
<allcinema>

◎コ−リンが感化院に入ることになったそもそもの失策、雨樋に盗んだ金を隠して置いたのが、間の悪いことに、刑事に詰問されているその時に雨が降ってきて、流れ出てしまうというシ−ンの間抜けさには笑ってしまった。“怒れる若者”ではありながら、仲間から“所長のペット”と呼ばれて、走ることの己の才能に未来への希望を見いだしながらも、「誇り」のためにゴ−ル目前にして立ち止まってしまうコ−リンの「孤独?」に、というよりその「不器用さ」に、恐らくは犯罪者にはならぬであろう彼のそれからを思って、ニヤリとしたことだった。呑気呆亭