6月13日(金)「荒野の七人」

「荒野の七人」('60・米)監督:ジョン・スタ−ジェス 原作:黒澤明/橋本忍/小国英雄 脚本:ウォルタ−・ニュ−マン 撮影:チャ−ルズ・ラング 音楽:エルマ−・バ−ンスタイン 出演:ユル・ブリナ−/スティ−ブ・マックイ−ン/チャ−ルズ・ブロンソン/ジェ−ムズ・コバ−ン/ロバ−ト・ヴォ−ン/ホルスト・ブッフホルツ/ブラッド・デクスタ−/イ−ライ・ウォラック
★無法者の一団に、貢ぎ物を強要されている寒村があった。村人は少ない金を出し合い、無法者たちを撃退するガンマンを雇おうと決意する。そして、村人の願いを受け、凄腕の7人の男たちが集まった…。黒澤明七人の侍」を翻案したウェスタン。こちらだけを観れば大傑作であるが、本家と比べてしまうと、やはり面白さの密度は薄い。
<allcinema>

◎黒澤の「七人の侍」との比較が常に取り沙汰されるが、この映画は設定だけを借りたまったく別物の傑作ウエスタンである。マックイ−ンもブロンソンもコバ−ンも若くて格好いいし、「七人の侍」では人間性を無視されていた無法者の頭目にウォラックを起用したことで、攻める側と守る側との攻防に人間味が加えられたように思う。しかし、アクションに重点を置きすぎたために、農民の側の苦しみや怒りが描かれていないので、ガンマンたちのラストの戦いは「七人の侍」の農民たちも奮戦した雨中の闘いの凄さと面白さには及ばなかった。呑気呆亭