6月6日(金)「片目のジャック」

「片目のジャック」('60・米)監督・主演:マ−ロン・ブランド 原作:チャ−ルズ・ネイダ− 脚本:ガイ・トロスパ−/カルロ・フィオ−レ/コルダ−・ウィリンガム 撮影:チャ−ルズ・ラングJr 音楽:ヒュ−ゴ・フリ−ドホ−ファ− 出演:マ−ロン・ブランド/カ−ル・マルデン/ピナ・ペリサ−/ケティ・フラド/エリシャ・クックJr/ベン・ジョンソン/スリム・ピケンズ
★異能の演技派スタ−、マ−ロン・ブランドが監督、主演した西部劇の大作。1880年のメキシコ、銀行強盗を働いたリオ(ブランド)は逃走の途中、相棒ダッドの裏切りにあい捕まってしまう。5年後刑務所を脱走したリオはモンテ−レという町で保安官になっているダッドのもとを訪れるが、彼の義娘ルイザと恋におちてしまう。従来の西部劇とは一線を画し、主人公の人間的苦悩を描く。ブランドの演じるアウトロ−は秀逸。(DVDの解説)

◎“従来の西部劇とは一線を画し”とDVDの解説にあるように、海の景色が度々挿入されるのが面白い。物語も単なる復讐譚ではなく、復讐する相手の義理の娘に当人のリオが恋をしてしまうという設定も面白い。その娘ルイザを演ずるピナ・ペリサ−が何処か我が「いしだあゆみ」に似た雰囲気を漂わせていて、内気で控えめでいながら裡に激しさと果断さを秘めているキャラクタ−を見事に造形している。彼女の存在ゆえに、演出のブランドはこの映画を“従来の西部劇とは一線を画し”たロマンスにせざるを得なかったのではなかったか。呑気呆亭