5月29日(木)「紳士同盟」

紳士同盟」(60・英)監督:ベイジル・ディアデン 脚本:ブライアン・フォ−ブス 撮影:ア−サ−・イベットソン 出演:ジャック・ホ−キンス/リチャ−ド・アッテンボロ−/ナイジェル・パトリック/ブライアン・フォ−ブス
★ハイド元中佐(昇進間近で退役となったので大佐を自称しているが)は、“金の羊毛”なる一冊の犯罪小説を元陸軍精鋭の“札つき”のワル六人に送りつけ、それと同じ手筈で銀行強盗に及ぼうとする。彼の睨んだ通り、全員がその話に乗ってきて、ハイド(ホーキンス)は沈着冷静なレイス少佐を副官に任命、軍隊方式で機敏に計画を進める。軍の施設から銃器をIRAの犯行と見せかけて調達し、実行も見事に運んだ。後はアジトで皆で祝杯をあげ、均等に分配した金を詰めたトランクを持って各自散開のつもりだったが…。結末のつけ方が素直すぎる弱みがあるが、高官の査察を装う施設での強奪のくだり、それから、祝宴に乱入する、ハイドの近所に越してきた准将の扱いなど、英国的ユーモアがいっぱいで、ラストも実に微笑ましい。出演者の一人(安酒場のピアノ弾きでヒモが本業という役)で、後に監督としても名を成すフォーブスが脚本を書いている。<allcinema>

◎実に英国式ユ−モアの横溢した作品である。脚本の出来が良いこともあってワクワクしながら愉しく見ることが出来た。それぞれに屈託と事情を抱え、各自特殊技能を備えた男たちが現金強奪を計画した元上官の下に集まってくるという、こうしたドラマの作り方を何というのかは知らないが、黒澤明の「七人の侍」の序盤の面白さにも通ずるワクワク感を与えてくれるのは、男たちが密かに抱いている或る願望を刺激するからに違いない。“オレにもそんな日常性を超える機会が来ないかなァ・・・”呑気呆亭