5月21日(水)「日曜はダメよ」

「日曜はダメよ」('60・米=ギリシア)製作・監督・脚本:ジュ−ルス・ダッシン 撮影:ジャック・ナット− 音楽:マノス・ハジダキス 出演:メリナ・メルク−リ/ジュ−ルス・ダッシン/ジョルジュ・ファウンダス/テイトス・バンディス
ギリシャを訪れた考古学者ホーマーは、港町でイリヤという娼婦と出会う。たちまち恋に落ちた彼は、イリヤに都会的な教養をつけさせようとするが…。自由に生きる娼婦と、堅物の考古学者の恋をあたたかく描く。「真昼の暴動」で知られるJ・ダッシンが出演も兼ねて監督。共演は「宿命」以来の恋仲で、本作によりカンヌ映画祭女優賞を受賞したメリナ・メルクーリ。<allcinema>

◎何よりも独立自尊の気の好い娼婦イリヤを演ずるメリナ・メルク−リが良く、彼女を巡るギリシャの男たちの脳天気ぶりが良い。彼らはみんな今のままで仕合わせなのだ。そこへアメリカ的な堅苦しい道徳観でコチコチな男が飛び込んで波紋を広げるという図式は、何やら最近のギリシャを巡る情勢を思わせる。しかし、そのアメリカ男を演ずるダッシンがらしくないので、今一ギャップの可笑しさが盛り上がらない。キャスティングのミスであろう。ダッシンが監督業に専念してジャック・レモンあたりを主演に据えたら素敵な艶笑コメディになったのではなかろうか?呑気呆亭