5月20日(火)「土曜の夜と日曜の朝」

「土曜の夜と日曜の朝」('60・英)製作:トニ−・リチャ−ドソン 監督:カレル・ライス 原作・脚本:アラン・シリト− 撮影:フレディ・フランシス 音楽:ジョン・ダンクワ−ス 出演:アルバ−ト・フィニ−/シャ−リ−・アン・フィ−ルド/レイチェル・ロバ−ト
★“怒れる若者たち”を代表する作家A・シリト−の同名小説をもとに描かれた社会派ドラマ。イギリスの工業都市ノッチンガムを舞台に、工場で働く青年のやり場のない怒りと友人の妻とのただれた情事を描く。製作は「ラブド・ワン」のT・リチャ−ドソン。そのリチャ−ドソンに見出された「フランス軍中尉の女」のk・ライス監督のデビュ−作でもある。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎'58年のトニ−・リチャ−ドソン監督「怒りを込めて振り返れ」に比べると、アラン・シリト−の原作・脚本にしては今一歯切れの悪い作品になってしまっている。芯になる話が工場の同僚の妻との不倫というケチ臭いモノなので、アルバ−ト・フィニ−というどこかヒップな才能を感じさせる役者の折角の持ち味が活かされていない。イギリスの階級社会の閉塞感は確かに感じられるのだが、やはり映画には暗いトンネルの先に微かでも出口の明かりを感じさせるモノが有って欲しいと思う。呑気呆亭