5月17日(土)「恋をしましょう」

「恋をしましょう」('60・米)監督:ジョ−ジ・キュ−カ− 脚本:ノ−マン・クラスナ 撮影:ダニエル・L・ファップ 音楽:ライオネル・ニュ−マン 出演:マリリン・モンロー/イヴ・モンタン/トニ−・ランド−ル
恋多き女モンローが共演者とロマンスに落ちることは存外なかったが、本作の相手役モンタンとは激しい恋をしたので有名。やはり恋多き男だったさしものモンタンもアメリカに行きっ放しになるほど夢中で、妻シモーヌ・シニョレは自殺未遂を起こしたとも聞く。が、映画の中のロマンスはあまりピリッとしない。億万長者で色事師としても知られるクレマンは、彼を皮肉った芝居のリハーサルを見て、妖艶に踊るアマンダに一目惚れ。彼を演じる役者探しが難航していると知ったクレマンは、彼女に近づきたいがために、身元を隠し、そのオーディションを受ける…。純然たるミュージカルではないが、サミー・カーン、ジェームズ・ヴァン・ヒューゼンによる表題曲やコール・ポーターの“私の心はパパのもの”などの佳曲がモンロー独特の甘い声で唄われ、当然、モンタンも美声を披露。G・キューカーのメガホンで、品のよい豪華さは出たが、作品の焦点はボヤけてしまっている。<allcinema>

◎前年の「お熱いのがお好き」の成功を承けてのモンロ−の起用であったのだろうが、確かにそれは見事に当たってモンロ−の歌と踊りを見ているだけで楽しい映画である。しかし、コメディとしてはキュ−カ−作品であるにもかかわらず、脚本の出来が今一なので素直に笑うことが出来ない。天下のモンタンに間抜けな男を演じさせることが無理なので、下手くそを演ずるモンタンには同情を感じこそすれ笑うに笑えないのであった。しかし、モンロ−は素晴らしい!呑気呆亭