5月16日(金)「ワ−ロック」

「ワ−ロック」('59・米)監督:エドワ−ド・ドミトリク 原作:オ−クレイ・ホ−ル 脚本:ロバ−ト・アラン・ア−サ− 撮影:ジョ−・マクドナルド 出演:リチャ−ド・ウイドマ−ク/ヘンリ−・フォンダ/アンソニ−・クイン/ドロシ−・マロ−ン/ドロレス・マイケルズ
★牧場主マッキュ−ン一味が牛耳るワ−ロックの町の人々は、傲慢だが凄腕の保安官クレイを自衛のため招くことに。まもなくしてクレイは賭博師モ−ガンとともに町に現れ、拳銃にものを言わせながら徹底的に町を粛清していく。しかしかってマッキュ−ンの部下だったものの、今では町に尽くすようになったギャノンに人々の信頼が集まるようになり、いつしか彼とクレイの対決は避けられないものに・・・。
リチャ−ド・ウイドマ−ク、ヘンリ−・フォンダ、アンソニ−・クインの3大スタ−豪華共演!悪がはびこる西部の町ワ−ロックを拳銃で粛清していく流れ者の雇われ保安官を通して、正義のために暴力を振るうことの代償を描く社会派エドワ−ド・ドミトリク監督ならではの異色西部劇。特に保安官を演じさせたらピカ一の名優ヘンリ−・フォンダが、ここではダンディズムあふれる黒尽くめの悪徳保安官を披露。その粋なピカレスクぶりは、演じた本人も太鼓判を押す出来栄え。ヘンリ−・フォンダの保安官とアンソニ・クイン演じる賭博師の関係性は、ワイアット・ア−プとドク・ホリディに倣ったもの。また、どこか同性愛的情緒が漂っているのも異色。重量級のドラマに見合った決闘シ−ンの数々は、今も西部劇ファンの語り草に。(DVDの解説)

◎ヘンリ−・フォンダという人は余りガンプレイが得意でなかったようだ。野外で拳銃の練習をするシ−ンがあるのだが、使っている拳銃はコルトのシングルアクションであるのに抜き撃ちで撃鉄を起こしていないのは、親指の背面を使うやり方を知らないのではなく、早撃ちに見せるために引き金を引くだけで発砲するように細工させたのだろうと思う。そんなことを思って見ると、保安官クレイの身に着ける服も歩き方もすべてウソ臭く思えて来てしまって、以前見た時の面白さも何処かに行ってしまったのだった。「ガンヒルの決斗」ではカ−ク・ダグラスはきちんと撃鉄を起こして拳銃を撃っていたこと思うと、エドワ−ド・ドミトリクとジョン・スタ−ジェスと、二人の監督の西部劇への思いの深さの違いがこんな所にも現れているのだろうか?呑気呆亭