4月26日(土)「お熱いのがお好き」

お熱いのがお好き」('59・米)製作・監督・脚本:ビリ−・ワイルダ− 原作:R・ソ−レン/M・ロ−ガン 脚本:I・A・L・ダイヤモンド 撮影:チャ−ルズ・ラングJr 音楽:アドルフ・ドイッチ 出演:マリリン・モンロー/トニ−・カ−チス/ジャック・レモン/ジョ−ジ・ラフト/ジョ−・E・ブラウン
禁酒法時代真っ只中のシカゴ。ギャングの抗争に巻き込まれ、聖ヴァレンタインの大虐殺を目撃した二人のバンドマン、ジョー(カーティス)とジェリー(レモン)は、ギャングの追っ手をかわすため女ばかりの楽団に紛れ込む。女装した二人はそこで歌手のシュガー(モンロー)と知り合い、ジョーは彼女に熱を上げるが女装のままではどうしようもなく、楽団を乗せた寝台車は一路マイアミへ。しかし、そこにはギャングの親分コロンボ(ラフト)一行も現れた……。ワイルダー=ダイアモンドのゴールデン・コンビによる脚本は、30年代ギャング映画のパロディを根幹としながら、女装によって巻き起こる“成り澄ましコメディ”を創造。それを演じるレモン、カーティスの珍奇な笑いも上々だ。
<allcinema>

◎女装という際どい題材を扱ったこの作品が通俗に堕さなかったのは、何よりもまずラストのジョ−・E・ブラウン演ずるオスグッドの決め台詞“Well・・・nobody's perfect”の、一気にすべてを解放する大らかな肯定性にある。その上にレモンとカ−チスの快演とモンロ−の魅力によってこの作品はいつの時代にもベストテンに選ばれるであろう傑作となった。呑気呆亭