4月23日(水)「悲愁」

悲愁」('59・米)監督:ヘンリ−・キング 原作:シ−ラ・グレアム/ジェロルド・フランク 脚本:サイ・バ−トレット 撮影:レオン・シャムロイ 出演:グレゴリ−・ペック/デボラ・カ−/エディ・アルバ−ト/フィリップ・オ−バ−/ジョン・サットン
★ F・S・フィッツジェラルドの脚本家としてのハリウッド生活最後の一年間(お定まりの酒浸りである)に燃え上がった、コラムニスト=シーラ・グレアムとの悲恋をつづる、強力なお涙頂戴メロドラマ。当時、作家役といえばG・ペック、知的で自立した女性ならD・カーと、相場通りのキャスティングで、大作ソープオペラならお手のもののH・キングが演出にあたり、大方の期待を裏切らない出来。それは無論、文学史的興味を満たすものではない。大体ペック自体、フィッツジェラルド当人とは似ても似つかない風貌なのだから。グレアムの暴露手記的な原作を基にしている。<allcinema>

◎グレゴリ−・ペックのフアンとしては、こんな弱々しさを露呈するペックの姿は見たくなかった。同じような役柄を演じた'89年の「私が愛したグリンゴ」のペックこそが彼の真骨頂であろう。呑気呆亭