4月17日(木)「勝手にしやがれ」

勝手にしやがれ」('59・仏)監督・脚本:ジャン・リュック・ゴダ−ル 撮影:ラウ−ル・コタール 出演:ジャン・ポ−ル・ベルモンド/ジ−ン・セバ−グ/ダニエル・ブ−ランジュ
★原案はフランソワ・トリュフォーが担当、クロ−ド・シャブロルも製作に参加したといわれ(実際は何もしていなかった)、ゴダ−ルと合わせてフランスの代表的映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」の3人がそろいぶみした、ヌ−ヴェル・ヴァ−グの決定打と言われる作品。既成のフランス映画の概念、ひいては映画製作の常識を覆し、アメリカン・ニュ−・シネマにも決定的影響を与えた。自動車泥棒ミシェルは警官を殺してパリに逃げてきた。ガ−ルフレンドのアメリカ人パトリシアとは互いに自由を許しあった束縛のない愛を楽しんでいる関係。警察の手は迫り、パトリシアはミシェルの愛を確かめるためミシェルの居場所を密告、ミシェルにも警察の追跡を知らせる。逃げるミシェルの背後から警官が射つ。“俺は最低だ”と自らの手でまぶたを閉じて死ぬミシェル。“最低って何のこと?”とつぶやくパトリシア・・・。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎若い頃に見た時はミシェル(ベルモンド)の格好良さにやたらシビレたものだったが、余計な分別などが染みついてしまったオヤジとして改めて見てみると、ミシェルのする事なす事がどうにも我慢がならないのだった。何よりもミシェルが口から離さない火の付いたタバコが(別に嫌煙家ではないのだが)可愛いパトリシア(セバ−グ)の露出した肌を今にも焼きそうで気になって落ち着かず、ゴダ−ルの持って回った演出も鼻に付いて、遂にはこの作品の全てに嫌悪を感じ出してしまったのだった。“勝手にしやがれ!”呑気呆亭