1月16日(木)「柳生武芸帳・剣豪乱れ雲」

柳生武芸帳・剣豪乱れ雲」('63・東映)監督:内出好吉 原作:五味康祐 脚本:高田宏治 撮影:三木滋人 音楽:只野通泰 出演:近衛十四郎/松方弘樹/島田兵庫/徳大寺伸/山形勲/藤純子
★三代将軍家光の治世。京の朝廷で俊秀の名も高い青年公卿飛鳥井時光は、幕府創設期の三十三年前、反徳川の公卿らが行方不明になった事実を知るや、家康が指令したに違いないこの暗殺事件を明るみに出し、幕府の弱味を押えようと考えた。そしてこの暗殺者−柳生一門の四人の剣客の名は“柳生武芸帳”なるものに記してありそれはその四人・柳生石舟斎柳生新次郎、佐々木左内ともう一人“寒夜に霜を聞く太刀”を使う謎の剣客のうちの誰かに伝わっているはずであった。時光はこの証拠の武芸帳を、柳生打倒を叫ぶ疋田陰流の使い手山田浮月斎の協力で手に入れようとする。(goo映画)

◎この作の松方弘樹は公卿飛鳥井時光を演じて、その柄が合って颯爽とした武者ぶりが中々好い。”一葉浮水の構え”を父から受け継いで御前試合にも出場する藤純子も健気さがあって良かった。その一方で“寒夜に霜を聞く太刀”の山田浮月斎山形勲)が余り格好良くなくて、十兵衛の“無刀取り”との対決も、刀を両断する山田浮月斎の剣に対して鍛えた鉄扇で対抗するというラストが、理が勝ちすぎて余り面白いモノではなかった。呑気呆亭