1月15日(水)「柳生武芸帳・片目水月の剣」

柳生武芸帳・片目水月の剣」('63・東映)監督:長谷川安人 原作:五味康祐 脚本:高田宏治 撮影:松井鴻 音楽:阿部皓哉 出演:近衛十四郎/松方弘樹/香川良介/北竜二/大木実/桜町弘子
★参勤交代の制度が突如布告された頃、江戸城中では九州島津家の光久が大目付役の柳生十兵衛に再び外様大名の取り潰しがないよう約束させ江戸を発ったが、一人不敵に笑う男があった。折あらば幕府転覆を狙う阿蘇の豪族有馬隼人正、またの名を野盗の首領筑紫左源太、疋田陰流の達人だった。左源太は島津、細川、黒田ら外様大名へ「参勤交替は外様を取り潰すための謀略なり」との書状を送り、三藩の江戸家老阿蘇屋敷へ集結させたが、島津家の席に現れたのは十兵衛だった。反逆露見を怖れた隼人正は他の二人を斬り、十兵衛を逃した。事を急いだ隼人正は柳生屋敷に乱入、武芸帳を奪って阿蘇へとんだ。謀反の連判状とみられる武芸帳の中に記された島津義久の名を楯に、島津家を抱き込もうとする計画を知った十兵衛は、事を未然に防ぐべく阿蘇へ向った。(goo映画)

◎彩りとしては必要なのかも知れないが、このシリ−ズでの女優陣の扱いはどうしても馴染めないモノがある。いっそ男優陣だけの徹底的な党争劇にした方が良かったのではないだろうか。桜町弘子は島津藩江戸家老の娘として登場するのだが、これまた中途半端な役どころで、父に従って薩摩への旅に同行し、その命で武芸帳を手にした隼人正に近づき武芸帳に島津の名が記されているかどうかを探るという重要な役目を託されるのだが、なんとしたことかその課程で隼人正に抱かれてしまうのである。桜町弘子フアンとしてはこんな手軽に隼人正になびいてしまうのは許せない思いであった。そんな思いで見ていただけに、十兵衛の使命がどうなろうと知ったことかと、例によって孤軍奮闘のさまを見ながら白けてしまったのだった。呑気呆亭