1月14日(火)「柳生武芸帳・片目の十兵衛」

柳生武芸帳・片目の十兵衛」('63・東映)監督:内出好吉 原作:五味康祐 脚本:高田宏治 撮影:脇武夫 音楽:阿部皓哉 出演:近衛十四郎/松方弘樹/沢村訥升/新井茂子/香川良介/北竜二/品川隆二
★将軍指南役の柳生家は今を時めく勢いで将軍家光の信任あつい老中松平伊豆守と縁つづきでもあった。伊豆守の失墜を狙う若年寄稲葉美濃守が“柳生武芸帳”の公開を迫ったのは、それが柳生石舟斎が家康の命で逆意を抱く者を調べた際、わざと一味に加わった時の連判状であったからだ。苦境に立つ柳生但馬守は当時の生き証人里見忠義の蟄居先である宇都宮へ、弟十兵衛を派遣したが、一足遅く、忠義は何者かに殺されていた。疑惑を抱きつつ江戸へ走る十兵衛を、美濃守に指図された霞の多三郎、千四郎兄弟、打倒柳生の執念に生きる山田浮月斎が迫った。(goo映画)

近衛十四郎の息子の松方弘樹がこのシリ−ズでは色々な役柄で出演しているのが愛嬌ではある。この作では千四郎に扮するのだが、その軽さに比べて兄の多三郎を演じる品川隆二の本気さが逆に気の毒になってしまう。千四郎と柳生の娘とのエピソ−ドもどこか付けたりめいていて、十兵衛が常に使う逆手切りの構えと共に違和感を覚えてしまう。呑気呆亭