11月22日(金)「折れた槍」

「折れた槍」('54・米)監督:エドワ−ド・ドミトリク 原作:フィリップ・ヨ−ダン 脚本:リチャ−ド・マ−フイ 撮影:ジョ−・マクドナルド 音楽:リ−・ハ−ライン 出演:スペンサ−・トレイシ−/ロバ−ト・ワグナ−/リチャ−ド・ウイドマ−ク/ジ−ン・ピ−タ−ス/ヒュ−・オブライエン/ア−ル・ホリマン/ケティ・フラド
★「ケイン号の叛乱」「十字砲火」のE・ドミトリク監督が撮った、異色の社会はウエスタン。1880年代のアメリカ西部。牧場の川上にある銅精錬所から出る鉱毒のため、家畜がバタバタと死んでいった。怒った牧場主マット(トレイシ−)は、精錬所まで抗議に出掛けるが相手にされず、ついには激しい銃撃戦になってしまう。裁判にも敗れ投獄されてしまいそうになるマットの代わりに、末息子のジョ−が罪を被り投獄される。気持ちがばらばらになる四人の息子たち。マットは卒中で倒れ、息子たちとの争いの中で亡くなってしまう。そこへ、3年の刑期を終えたジョ−が帰ってくる・・・。古き西部が敗れ去り、新しく生まれ変わろうとする時代。そうした変動の時代に生きざるを得なかった人々の闘いを、ドミトリク監督は、マットと息子のジョ−の中に凝縮させている。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎ウエスタンとしても人間ドラマとしても中途半端で、見終えて後味の悪さが残った。同じ兄弟の確執を描いた「白昼の決闘」のことを思えば、脚本と演出の腕の差は歴然としている。これほどの役者を揃えながら少しも生かしていないのは、勿体ないとしか言いようがない。ウイドマ−クが哀れでありました。呑気呆亭