10月22日「現金に手を出すな」

現金に手を出すな」('54・仏)監督・脚本:ジャック・ベッケル 原作・脚本:アルベ−ル・シナモン 脚本:モ−リス・グリフェ 撮影:ピエ−ル・モンタゼル 出演:ジャン・ギャバン/ルネ・ダリ−/リノ・バンチェラ/ジャンヌ・モロ−
★初老のギャング、マックスとリトンのふたりは、最後の仕事としてオルリ−空港から5千万フランの金塊を盗み出す。仕事はうまく成功したが、リトンがクラブの女ジョジにしゃべってしまったため、ジョジの情夫で麻薬密売人のアンジェロの知るところとなる。アンジェロはリトンを拉致して金塊と交換条件を出してくる。マックスはリトンとの友情から交換条件をのまざるをえない。だが、取引の場でのアンジェロの卑劣な仕打ちを知ったマックスは怒り、彼のマシンガンが火を吹く・・・。ギャバンが初老のギャングを演ずる哀愁の漂うギャング映画の異色作。主題曲の「グルスビ−のブル−ス」もヒットした。(ぴあ・CINEMA CLUB)

ギャバンの一連のギャング物のはしりだが、筋が入り組んでいてやや明快さに欠けるところがあり、展開もかったるい。ジャンヌ・モロ−の使い方もまだ新人ということもあってか彼女のキャラクタ−が生かされていない。同じく新人のリノ・バンチェラはギャバンに敵対する役をク−ルに演じていて好演である。しかしラストにモノクロの仏映画にはおよそ似合わないマシンガンが出てきたのには腰を抜かしてしまった。呑気呆亭