10月18日(金)「柳生武芸帳・夜ざくら秘剣」

柳生武芸帳・夜ざくら秘剣」('61・第二東映京都)監督:伊沢雅彦 原作:五味康祐 脚本:結束信二/高田宏治 撮影:杉田正二 音楽:阿部皓哉 出演:近衛十四郎/品川隆二/花園ひろみ/里見浩太郎/山城新伍/堺駿二/伊吹友木子
五味康祐の同名小説を近衛十四郎柳生十兵衛というはまり役で映画化した“柳生武芸帳”シリ−ズの第2作。柳生新影流の秘伝と称され、天下を左右する謎を秘めた水月・浮月の2巻の柳生武芸帳をめぐって、柳生十兵衛が次々と襲いかかる敵を切り捨てる。(ぴあ・CINEMA CLUB)

五味康祐の原作には皇室に関わるスキャンダルを暴こうとする危うい意図が感じられる。東宝で同じ原作を映画化したものが何故か二作のみの尻切れトンボで終わってしまったのは、それが影響したのではないかと当時は思ったものだった。この映画はそんな危うさを見事に打っちゃって娯楽時代劇に仕立て上げてしまい、全九作まで作ってしまったのはあっぱれというしかない。登場人物では品川隆二のキャラクタ−が面白かった。呑気呆亭