9月14日(土)「栄光何するものぞ」

「栄光何するものぞ=WHAT PRICE GLORY」('52・米)監督:ジョン・フォ−ド 原作:マクスウェル・アンダ−ソン/ロ−レンス・ストリングス 脚本:フィ―ビ−・エフロン/ヘンリ−・エフロン 撮影:ジョ−・マクドナルド 音楽:アルフレッド・ニュ−マン 出演:ジェ−ムズ・ギャグニ−/コリンヌ・カルベ/ダン・デイリ−/ウイリアム・デマレスト
第一次世界大戦中のフランスの田舎町。米軍のフラッグ大尉とクワ−ト軍曹は昔からのライバルで、この町でもひとりの娘シャルメ−ヌをめぐって争っていた。ふたりは相手が戦地に出ている間に娘を自分のものにしようとやっきになるが・・・。J・フォ−ド監督お得意の荒くれ男たちの友情を豪快に描く佳作。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎フラッグ大尉とクワ−ト軍曹のシャルメ−ヌをめぐっての駆け引きの間に、フォ−ドは若者たちの恋を置く。若き兵士のルイスンは町で出会ったフランス娘のニコ−ルに一目惚れしてしまう。ルイスンはその純な恋情をフラッグ大尉に打ち明け、彼女との結婚の許可を受けようとする。そうした所に前線への出動命令が下され、フラッグは独軍の将校を生捕りにするように特命を受ける。フラッグとクワ−トはその任務に失敗して落胆するが、そこになんと独軍将校を捕虜にしたルイスンが現れる。フラッグはルイスンの勇気を見直すが、その直後に爆撃を受けてルイスンは爆死してしまうのだった。
任務を終えて帰還したフラッグ大尉の元をルイスンの死を知ったニコ−ルが訪れる。“ニコ−ルです”“知っている、ルイスンから聞いたよ。結婚を望んでいたが、軍は指揮官の許可が必要でね、分かるか”“ええ、彼は・・・”“イエス、彼は勇敢な兵士だったが、結婚には若すぎた。彼のことを思い出すときはこう考えてくれないか。多くの青年たちはここに来て彼と同じ目に遭う。だが彼は、君に逢えた”“ありがとう・・・”
ニコ−ルを見送ってフラッグはシャルメ−ヌに告白する。“戦争なんて沢山だ、俺は引退する。もういい、任務を理解する男どもならいい、だが今は幼い少年ばかりだ、ここにいる義務などない。シャルメ−ヌ、たとえ戦争が終わっても俺は帰国しない、俺と一緒になろう”
ところがその場にクワ−ト軍曹が現れ、シャルメ−ヌを中に置いての争いとなり、滅茶苦茶な酒飲み合戦と拳銃とシャルメ−ヌを賭けてのポ−カ−勝負となって、フラッグ大尉の感傷も吹っ飛んでしまう。
プロロ−グに夕景の中をボロボロに疲弊した兵士たちの帰還を描いたフォ−ドは、エピロ−グに朝焼けの景色の中を前線に向かう兵士たちの行軍を置く。その先頭を行くフラッグ大尉の脇に、“軍隊は愚か者の集まりだ・・・”とシャルメ−ヌに別れを告げたクワ−ト軍曹の姿が有った。呑気呆亭