9月11日(水)「そして誰もいなくなった」

そして誰もいなくなった=AND THEN THERE WERE NONE」('45・米)製作・監督:ルネ・クレ−ル 原作:アガサ・クリスティ 脚本:ダドリ−・ニコルズ 撮影:ルシアン・アンドリオ 音楽:チャ−ルズ・プレヴィン 出演:バリ−・フィッツジェラルド/ウォルタ−・ヒュ−ストン/ルイス・ヘイワ−ド/ロ−ランド・ヤング/ジュ−ン・デュプレ/リチャ−ド・ヘイドン
★オ−エン氏に招かれ、「インディアン島」を訪れた十人の男女。そこには肝心の氏の姿はなく、代わりに10体のインディアン人形が彼らを待ち構えていた。その夜、オ−エン氏の指示に従い、執事のト−マス(リチャ−ド・ヘイドン)が1枚のレコ−ドをかけると、十人の罪状を告げる声が・・・。
意図的に残された数え歌「テン・リトル・インディアン」の楽譜。その歌詞に導かれるように次々と殺人が起こり、人形も一体一体壊されてゆく。閉ざされた孤島から脱出する船は三日後にならないと到着しない。果たして謎の犯人とは?オ−エン氏の正体は?「巴里の屋根の下」('30)で知られるクレ−ル監督による本作は、A・クリスティの映画化作品として最高傑作として名高い。(DVDの解説)

◎「テン・リトル・インディアン」の歌と10人の犯罪者を組み合わせるという原作の思いつきは面白いが、一種のグランドホテル形式の劇としては人間の描き方に深みがなく、肝心のサスペンスも今一で、クレ−ルにしては仕掛けが大袈裟なだけの凡作である。呑気呆亭