8月22日(金)「三万両五十三次」

「三万両五十三次」('52・大映)監督・脚本:木村恵吾 原作:野村胡堂 撮影:長井信一 音楽:白木義信 出演:大河内伝次郎/轟夕起子/折原啓子/河津清三郎/菅井一郎/沢村國太郎/加藤大
★「銭形平次」を始め名作時代小説を多く書いている野村胡堂の原作を木村恵吾が自ら脚本を書き監督した作品である。三万両を巡って、佐幕派の志士達や、怪盗牛若小僧(加藤)や女賊のお蓮(轟)らが暗躍し、更には三万両を警護する蔵人(大河内)を憎む山際三左衛門(河津)も蔵人を追い旅に出るのだった。大河内伝次郎がひょうたんと名乗るとぼけた男を好演。脇を固める河津や轟の熱演も注目である。様々な登場人物の思惑が重なり合い、クライマックスに向けて収束していく道中物の傑作である。同じ大河内伝次郎の主演で製作された作品の再映画化である。(DVDの解説)

◎大河内のとぼけた味と轟の姉御ぶりが楽しめるが、筋立てはご都合主義で映像的にも見るべきモノのない凡作である。呑気呆亭