8月17日(土)「何がジェ−ンに起こったか?」

「何がジェ−ンに起こったか?=WHAT EVER HAPPEND TO BABY JANE?」('62・米)監督:ロバ−ト・アルドリッチ 原作:ヘンリ−・ファレル 脚本:ル−カス・ヘラ− 撮影:ア−ネスト・ホラ− 音楽:フランク・ドボル 出演:ベティ・デイビス/ジョ−ン・クロフォ−ド/ビクタ−・ブル−ノ/アンナ・リ−/メイディ・ノ−マン
★子役スタ−“ベビ−・ジェ−ン”として一時代を画したジェ−ン、遅咲きながら実力派女優として名を馳せた姉ブランチ。だが、その人気絶頂期にブランチが車の事故で下半身不随になって以来、姉妹は人目を避けるかのようにふたりきりで暮らしていた。その孤独な日々の中、ジェ−ンは過去の栄光を追い、次第に奇行が目立ち始める。歩けないブランチを精神的に追い詰めた彼女は、電話を取り外して外部との連絡を遮断。ついには暴力をふるって姉を部屋に監禁するのだった・・・。
主演B・ディビス(『イヴの総て』)J・クロフォ−ド(『グランド・ホテル』)。名優2人の鬼気迫る演技が観る者を圧倒!人間の狂気の襞を鋭くえぐる巨匠R・アルドリッチ(『攻撃』)、旋律のサイコ・サスペンス!!

◎少女時代のエピソ−ド、楽屋口で大勢のフアンを前にして傲慢な口調でパパにアイスクリ−ムをねだるベビ−・ジェ−ン。“ブランチにも買ってやってね、パパ”。母親がブランチに“ジェ−ンの優しさを忘れないでね”と、それに答えて“死んでも忘れるものですか”とブランチ。この子役二人の見事な演技。このシ−ンに総てが語られている。二人の立場の逆転、そして不可解な事故による暗転。狂気と滑稽、理知と恐怖。そして事故の真相が明かされた際の浜辺の姉妹を捉えた奇跡的な映像。復活した“ベビ−・ジェ−ン”がアイスクリ−ムを両手にして踊るラスト・シ−ン。べティ・ディビスの余りといえばあんまりな怪演に辟易はしたが、ラストの映像を見て総てを納得することが出来た。呑気呆亭