8月6日(火)「折れた矢」

「折れた矢=BROKEN ARROW」('50・米)監督:デルマ−・ディビス 原作:エリオット・ア−ノルド 脚本:マイケル・ブランクフォ−ト 撮影:ア−ネスト・パ−マ− 出演:ジェ−ムズ・スチュワート/ジェフ・チャンドラ−/デブラ・パジェット/ベイジル・ルイスディ−ル/ウイル・ギア
アメリカ映画で初めてインディアンの立場から白人を描いたといわれている記念すべきウエスタン。インディアンの少年を助けたことから大酋長コチ−ズと知り合い、アパッチ族の娘と結婚した白人の悲劇を描いていく。“折れた矢”とは、争いを放棄しようと願うインディアンの祈りの象徴である。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎ネイテイヴ・アメリカンの生活・求婚・結婚などの習俗が丁寧に描かれていて好ましい。こうした習俗を守って太古から平和に暮らして来たネイテイヴ・アメリカンの国に押し入ってきた白人たちの柄の悪さと、それに対比されるネイテイヴ・アメリカンのモラ−ルの高さが描かれる。コチ−ズ(チャンドラ−)は一端交わした条約は此方から絶対に破棄することはしない、破るとしたら向こうからだとトム(スチュワ−ト)に語る。白人の策謀で愛するソンシアレイを失って激怒するトムを、コチ−ズは平和を実現するためには個人的な怒りは忍ばねばならないとたしなめるのだった。白人でありながら敢然とネイテイヴ・アメリカンを演じたジェフ・チャンドラ−と美しいソンシアレイを演じたデブラ・バジェットに拍手。呑気呆亭