5月31日(金)「コロラド」

コロラド」('48・米)監督:ヘンリ−・レヴィン 脚本:ロバ−ト・D・アンドリュ−ス 撮影:ウイリアム・スナイダ− 音楽:モリス・W・ストロフ/ジョ−ジ・ダニング 出演:グレン・フォ−ド/ウイリアム・ホ−ルデン/エレン・ドリュ−/レイ・コリンズ/エドガ−・ブキャナン
南北戦争で非条理にも反乱軍を虐殺した大佐オウエン(フォ−ド)は戦後コロラドの帰還し判事になる。彼は親友デル(ホ−ルデン)の愛するキャメロンに言い寄り、裁判を楯に合法的な殺人を犯すなど、保安官になったデルと対立する。そしてついにオウエンはデルを絞首刑にするよう命じた。デルが脱獄してキャメロンと共に逃れると、今度は町中を焼き払うように命じ・・・。狂気の虐殺を続ける元戦友に立ち向かい、町の平和を取り戻そうとする男の情念を描く。(DVDの解説)

◎グレン・フォ−ドという役者さんは好きなタイプで、西部劇では数々の印象的な役柄を演じている。ホ−ルデンとの共演では「掠奪の町」('41)では二人とも若くて生きの良いカウボ−イを気持ち良さげに演じていた。「必殺の一弾」('56)も良かったし、'57年の「決断の3時10分」'58年のジャック・レモンと共演した「カウボ−イ」も異色の西部劇だったが見応えがあった。特に「決断の3時10分」のベン・ウエイド役は西部劇映画史に残るキャラクタ−を創造した快演であった。ところが、この映画のフォ−ドは頂けない。フォ−ドは確かに頑固なキャラクタ−を演じてきたが、こうした病的な役は彼には似合わない。そのためにホ−ルデンも今一冴えなくて、何のためにこの映画を作ろうとしたのか分からない作品になってしまったのだった。呑気呆亭