5月1日(水)「火の接吻」

「火の接吻」('49・仏)監督:アンドレ・カイヤット 脚本:ジャック・プレヴェ−ル 撮影:アンリ・アルカン 音楽:ジョセフ・コスマ 出演:アヌ−ク・エ−メ/セルジュ・レジアニ/ピエ−ル・ブラッス−ル
★ムラノ島のガラス細工職人アンジェロ(セルジュ・レジアニ)とベニスのジョルジア(アヌーク・エーメ)が映画「ロメオとジュリエット」の撮影時に共にスタンド・インながら、有名なバルコニーのシーンで顔を合わせ、お互いに恋し合ってしまう。ジョルジアの住むマリア邸は名門だが既に没落していて、当主エットォレ(ルイ・サルー)は昔を夢見ているだけの男で、その従弟アメデオ(マルセル・ダリオ)は戦傷のために気が変になっているし、その家族の経済的援助をしているガイドのラファエレ(ピエール・ブラッスール)が彼女の婚約者となっていた事などから、何とか家を離れようと思っていた。しかしアンジェロと親しくなって行くジョルジアを見たラファエレは黙ってはいなかった・・・。
〈allcinema=ikeda〉

◎アヌーク・エーメの若さと美しさはこの世のモノとは思えぬほどで、劇中のジュリエットと現実のジョルジアの狭間を行き来する儚い存在を演ずるにはうってつけの配役であった。そのアヌ−クの全裸が水の中を漂うシ−ンを目にすることが出来たとは何という眼福であったことか。もうこうなれば映画の筋も出来もどうでも良くなって、アヌ−クの姿を追うだけでアレヨアレヨという間に映画は終わってしまったのだった。嬉しい映画です。呑気呆亭