4月16日(火)「黄金」

「黄金」('48・米)監督・脚本:ジョン・ヒュ−ストン 原作:ブル−ノ・トレイブン 撮影:テッド・マッコ−ド 音楽:マックス・スタイナ−/レオ・F・フォ−ブステイン 出演:ハンフリー・ボガート/ウォルタ−・ヒュ−ストン/ティム・ホルト/ブル−ス・ベネット/バ−トン・マクレ−ン
★1920年代のメキシコ。職も無くうらぶれたアメリカ人ボガートは相棒のホルトと共に、安宿の老人ヒューストン(アカデミー助演男優賞受賞)から聞き付けた金鉱掘りの話に飛びつく。偶然当てた宝くじの賞金を元手に、三人は金が眠っているといわれるシェラ・マドレの山へ向かった…。金を掘り当てるにつれ次第に仲間を信じられなくなるボガートの描写が鮮烈で、金の持つ魔力を如実に物語る。B・トレイブンの原作をヒューストン自身が脚色、どん底の生活から脱しようと金探しに賭ける三人の男たちの葛藤と破滅を活写した人間ドラマの傑作。アカデミー脚色・監督賞受賞。<allcinema>

◎あのボギ−が薄汚れた格好のルンペン役で登場してきたことにまず驚かされる。それでもいっぱしのプライドはまだ保っているのだが、黄金を得ると共に欲に狂って行く役を好演。相棒役のホルトもいいのだが、何よりもいいのは老いた山師のヒュ−ストンである。黄金がどれだけニンゲンを狂わせるかを熟知している故に、危機的な状況を打開する知恵に満ちている。ラスト、ボギ−は死に、命を代償に得た黄金も風に散って、それと知ったホルトとヒュ−ストンの憑きものからから解放された高笑いが心地良くメキシコの荒野に響く。さて、恐らく彼らはまた山に戻って行くのだろう・・・。呑気呆亭