3月20日(火)「紳士協定」

「紳士協定」('47・米)監督:エリア・カザン 原作:ロ−ラ・Z・ボブスン 脚本:モス・ハ−ト 撮影:ア−サ−・ミラ− 音楽:アルフレッド・ニュ−マン 出演:グレゴリ−・ペック/ドロシ−・マクガイア/ジョ−ン・ガ−フィ−ルド/セレスト・ホルム/アルバ−ト・デッカ―/ジェ−ン・ワイアット
★ カリフォルニアの人気ライター、フィルは妻に先立たれ、幼い息子と老いた母との3人で暮らしていた。そんなある日、彼は週刊誌の編集長に招かれニューヨークへ渡ることに。そこで彼に依頼された仕事は、反ユダヤ主義についての記事だった。この企画を発案したのは編集長の娘キャシー。フィルは彼女に惹かれていく一方、自らユダヤ人と偽って取材を始める。そしてある時、社内でユダヤ人だと名乗るフィル。その噂はすぐに広まり、周囲はにわかによそよそしくなっていく…。
 ユダヤ人差別をテーマにし、アカデミー作品・監督・助演女優賞セレステ・ホルム)を得た骨太な作品。監督は「ブルックリン横丁」などで知られる名匠エリア・カザン。一人のジャーナリストが、アメリカの反ユダヤ主義を調査するため、自らユダヤ人と偽って取材をする。ユダヤ人の立場になって初めて分かる様々な差別。出版社自体にも存在する偏見と闘いながら、真の正義を追求していく姿を感動的に描く。
<allcinema>

◎雑誌の特集記事を書くために自らユダヤ人になりすますという設定が不愉快だ。ペックは好きな役者さんで、この役も彼ならではという所だが、相手役のキャシ−を演じたマクガイアが拙劣で、どうしてこんな女にペックが惹かれるのか頷けない。母親役の女優さんと失意のフィルにプロポ−ズする同僚の女性を演じたセレスト・ホルムの存在感がなければ、最後まで見ることの出来ない類いの作品であった。呑気呆亭