3月6日(水)「デデという娼婦」

「デデという娼婦」('47・仏)監督・脚本:イヴ・アレグレ 原作:アシェルベ 脚本:ジャン・シギュル 撮影:イバン・ブルゴァン 音楽:ルイ・ベエツ 出演:シモ−ヌ・シニョレ/ベルナ−ル・ブリエ/マルセル・パリエロ/マルセル・ダリオ/ジャヌ・マルカン
★娼婦デデ(シニョレ)は情夫のマルコ(ダリオ)に引きずられてフランスからベルギーに流れ、アントワアプの酒場“ビッグ・ムウン”で働いていた。ある月曜日お客と一緒に食事を済ませ自動車で送られてくる途中水夫たちの喧嘩に出会い、そこでフランチェスコ(パリエロ)という貨物船の船長と知り合った。彼は“ビッグ・ムウン”の主人ルネ(ブリエ)の友人で、翌日酒場にやってきた。マルコを嫌うデデとその立場に同情するフランチェスコとの仲は急速に接近し、二人は小さなホテルに一夜を明かした。フランチェスコはルネと共同で武器の密輸をしていたがデデと一緒に此処を離れようと約束した。酒場に帰ったデデがルネにそのことを話すとルネも賛成し邪魔なマルコを追い出してくれた。その夜フランチェスコは最後の積荷を終えてデデに電話をかけようと波止場へきたところ、待伏せていたマルコのピストルで殺された。知らせをうけたルネとデデは汽車で逃げようとしたマルコを駅で捉え人気のない波止場へ連れ出した。ルネはピストルで殺そうとしたがデデにとめられたので殴り倒した。昏倒したマルコを電車線路の上に横わらせ、ルネとデテを乗せた車はマルコの体を轢いて遠ざかっていった…。映画.COM

◎'21年生まれのシニョレはこの年26歳か、この人のふくらはぎの美しさは「グロリア」のジ−ナ・ロ−ランズのそれに拮抗するモノだ。その美しいふくらはぎがアントワ−プの街を所在なげに散歩するのを見ていれば、もうそれだけで映画を観るという快楽にどっぷりつかることが出来る。ルネ役のベルナール・ブリエ、マルコのベルナ−ル・ブリエ、フランチェスコのマルセル・パリエロ、同僚の娼婦を演じたジャ−ヌ・マルカン、フランス映画というものの良さをしみじみと味あわせてくれる役者さんたちである。フランチェスコがデデにイタリア語で愛を囁く場面の面白さ。もちろんシニョレのフアンとしては彼女を見ることが出来るからではあるが、これは傑作である。呑気呆亭