2月21日(木)「三つ数えろ」

三つ数えろ」('46・米)監督:ハワ−ド・ホ−クス 原作:レイモンド・チャンドラ− 脚本:ウイリアム・フォ−クナ−/リ−・ブラケット/ジュ−ルス・ファ−スマン 音楽:マックス・スタイナ− 出演:ハンフリ−・ボガ−ト/ロ−レン・バコ−ル/ジョン・リッジリ−
★主人公の探偵フィリップ・マーロウは、富豪の退役将軍スターンウッドに呼ばれ、次女カーメン(ヴィッカーズ)が書店主ガイガーから多額の請求を受けている件について調査するよう頼まれる。その背後にはこれまでにも何度かゆすってきた与太者ブロディがいるのでは--というのが将軍の読みである。果たして、ガイガーの素行を探ると、色情狂でたまに心身喪失するカーメンをモデルに怪しい写真など撮っていたが、すぐに何者かによって殺され、現場にはカーメンが立ちすくんでいた。ブロディの線を洗いながら、マーロウにはカーメンの姉ビビアン(バコール)の不審な行動が気になり始める。彼女は、IRAの活動家リーガンの妻を寝取ったことで名を馳せるカジノ経営者マースに、多額の借金があった…。<allcinema>

◎'41年の「マルタの鷹」(ジョン・ヒュ−ストン)のサム・スペ−ド役に比べるとこの映画のボガ−トは生き生きとしていて魅力的である。原作も演出者も違うのだから比べるのは意味のないことかも知れないが、「マルタの鷹」のボガ−トは口が達者な嫌味な男でしかなかったが、この「三つ数えろ」のボガ−トは拳銃は撃っ放すし人は殺すしで、まことにハ−ドボイルドの主人公に相応しい活躍をする。しかし、この両作品の違いを際立たせたのは何と言ってもヒロインの格の違いである。「マルタの鷹」のもう名前も忘れてしまった薹の立ったヒロインに比べて、このロ−レン・バコ−ルの際立った存在感はどうだろう!彼女あってこそのボガ−トなのだった。呑気呆亭