2月8日(金)「ならず者」

「ならず者」('43・米)製作・監督:ハワ−ド・ヒュ−ズ 脚本:ジュ−ルス・ファ−スマン 出演:ウォルタ−・ヒュ−ストン/ジェ−ン・ラッセル/ジャック・ビュ−テル/ト−マス・ミッチェル/ミミ・アガグリア
★盗まれた愛馬を探しにやってきたガンマンのドク・ホリディ。旧友の保安官パット・ギャレットの協力で馬を発見するが、馬は若き無法者ビリ−・ザ・キッドの手に渡っていた。馬を渡そうとしないビリ−はギャレットに撃たれ、ホリディは傷を負ったビリ−を情婦リオのところに運び込むが、ビリ−はかつてリオの兄を殺した男だった…。監督の交代、映倫との争いなどのトラブルに見舞われた問題作。実在の無法者ビリ−・ザ・キッドを描いたウエスタンであり、会社の経営の傍ら映画の製作も手掛けていた富豪のハワ−ド・ヒュ−ズが、300万ドルもの製作費をかけて製作した西部活劇。(DVDの解説)

◎レッドと名付けられた赤毛の馬を廻ってのビリ−(ビュ−テル)とホリディ(ヒュ−ストン)の駆け引きが面白い。その二人の間に芽生える共感の間に割り込めないギャレット(ミッチェル)の男の嫉妬がこの映画のすべてである。やがて成り行きでビリ−とホリディの間には、馬だけではなく女(リオ=ラッセル)まで絡んでくる。ワタクシの10歳上の兄貴からさんざんこの映画のラッセルの色気の凄さを聞かされて育って来たワタクシとしては、その胸元を強調するために特注されたというブラウスとともに、あの頃では観ることの出来ぬ幻の映画であった。
確かに彼女の胸元は素晴らしい見ものではあるが、これが米国の映倫に引っ掛かったとは、今では考えられぬことである。ビリ−にあのブラウスを荒々しく引きちぎって欲しかったと思うのは、ワタクシだけの願望であろうか?呑気呆亭