1月4日(金)「続・男はつらいよ」

「続・男はつらいよ」('69・松竹)監督・原作・脚本:山田洋次 脚本:小林俊一/宮崎晃 撮影:高羽哲夫 音楽:山本直純 出演:渥美清/倍賞千恵子/前田吟/森川信/三崎千恵子/佐藤オリエ/山崎努/ミヤコ蝶々/東野英治郎
★今回は寅さんが生みの母を訪ねる一編。旅先で優しい母親の夢を見た寅次郎。大阪に探しに行くが、やっと会えた母(ミヤコ)はラブホテルを経営する元気なオバハンだった。(ぴあ・CINEMA CLUB)

◎この映画で我々は寅次郎の生い立ちとその来し方を知らされる。生みの母を求める寅の旅は「瞼の母」なのだが、その尋ねあてた生みの母を演ずるミヤコ蝶々が我々の予想を見事にひっくり返してくれる。この寅の向こうを張る様なこれまた破天荒な母との大ゲンカで寅は「瞼の母」を失ってしまう。そして葛飾在の恩師「坪内散歩先生」という「心の父」をも、これは実際に喪ってしまうのである。さすがにこれではアンマリだと思ったのだろう、山田洋次はラストに京の三条の橋を口ゲンカしながら渡って行く寅と母の姿を見せてエンド・マ−クを打つのである。呑気呆亭