12月21日(金)「カンサス騎兵隊」

「カンサス騎兵隊」('40・米)監督:マイケル・カ−ティス 脚本:ロバ−ト・バックナ− 出演:エロ−ル・フリン/オリヴィア・デ・ハヴィランド/レイモンド・マッセイ/ロナルド・レ−ガン/ヴァン・ヘフリン
南北戦争前のことである。卒業を間近に控えて、陸軍士官学校生徒のジェブ・スチュア−トは、同級のレイダ−と大喧嘩を始めた。レイダ−は奴隷制度即時撤廃を主張して、そのためには暴力もやむを得ずとするジョン・ブラウンの説を支持し、争いとなったのである。そのためレイダ−は退校処分となり、ジェブは親友ジョ−ジ・カスタ−と共にブラウン一派の勢力圏にあるカンサス―サンタ・フェ鉄道の起点にある駐屯部隊付きを命じられた。サンタ・フェで駅馬車屋を営んでいるサイラス・ホリディの娘キットを、ジェブもカスタ−も愛する。ある日、二人は駅馬車を守り、荒野を駆けて行く途中、積み荷の聖書を引き取る一行に出会った。聖書とは表向きで、ブラウン一派が入手しようとする小銃であった。その中にはレイダ−もいたのだった…。(DVDの解説)

◎フリンとハヴィランドの美男美女コンビをマイケル・カ−ティスが演出するとなれば、痛快な冒険談を期待するわけだが、「奴隷解放」という重いテ−マを取り上げた為に中途半端な作品になってしまった。フリンはどっちつかずで颯爽としないし、ハヴィランドも駅馬車屋の娘でありながらお姫さまごっこをさせられるし、カ−ティスの演出にもいつもの冴えが見られない。目立ったのはジョン・ブラウンを演ずるレイモンド・マッセイ預言者ぶりと、レイダ−の複雑な性格と行動を演じたヴァン・ヘフリンの好演であった。レ−ガンは後にこの人が大統領になったのかという思いで見るだけの平凡な活躍であった。呑気呆亭