11月14日(水)「次郎長三国志・初祝い次郎長一家」

次郎長三国志・初祝い次郎長一家」('54・東宝)監督:マキノ雅弘 原作:村上元三 脚本:松浦健郎 撮影:飯村正 音楽:鈴木静一 構成:小国英雄 助監督:岡本喜八 出演:小堀明男/森繁久彌/久慈あさみ/越路吹雪/長門裕之/河津清三郎/田崎潤
★次郎長に預けられた喜代蔵少年(長門)にお仲は、次郎長と一緒になって自分の“おっかぁ”になってくれとせがまれ、困ったお仲は旅へ出る。亡くなったお蝶の百ヵ日、次郎長一家は酒盛りで食ったフグの毒にあたり、動けないところを久六一味に襲われるが…。(ぴあ・CINEMA CLUB)

マキノ雅弘は甥っ子の長門祐之を前作のラストで起用、そのまま引き続いてこの第七部でも同じ役柄(喜代蔵)で使っている。この喜代蔵
とお仲のからみは、マキノの母親に対する想いが込められていていささかクドイ。フグの毒にあたったと見せて久六一家の裏を掻く筋立ても平凡で、見どころといえば、清水港の素人衆が男も女も武器をとって久六一家に立ち向かうという、余り時代劇では見かけないモッブ・シ−ンの面白さくらいであろう。やや緊張感の薄れた凡作である。呑気呆亭