7月28日(土)「外人部隊」

外人部隊」('33・仏)監督:ジャック・フェデ− 出演:マリ−・ベル/ピエ−ル・リシャ−ル・ウィルム/フランソワ−ズ・ロゼ−
★愛人フロレンスのために悪事を働いたうえに彼女に捨てられたピエ−ル。彼は自暴自棄となり、外人部隊に入って、酒と女の日々を過ごす。だが、ある日、彼はフロレンスにうりふたつのイルマと出会う……。
有名な外人部隊を舞台に男女の運命を描いた古典的作品。(ぴあ・CINEMA CLUB)

外人部隊ものというとどうしても「モロッコ」と比べてしまうのだが、物語の筋を妙に入り組まさせてしまっているために面白さではやはり劣る。放蕩者のピエ−ル(ピエ−ル・R・ウィルム)が身を持ち崩す原因となった女(マリ−・ベル)がかなりの年増で性格も深みがないのが分ってしまうので、“なんでこんな女に…”という感想が先に立ってしまって、地の果てモロッコまで流れて行く必然性が感じられない。
ワタクシの好みで云えば酒場の女主人ブランシュ(フランソワ−ズ・ロゼ−)の方が同じく年増ではあるが謎めいていて魅力的なのだが、一向にそうした方向に流れて行かないのが釈然としないのである。外人部隊の兵士たちも酒場では派手に喧嘩をするが、戦闘シ−ンが少しもないのも、再び志願して戦場に向かう主人公の悲劇性にリアルさを与えないのである。収穫はフランソワ−ズ・ロゼ−という女優さんのフランス女優らしい存在感を見ることが出来たことだった。呑気呆亭